マーケティングにおける「コンセプト」は下記の5つ考え方があります。
- 生産コンセプト
- 製品コンセプト
- 販売コンセプト
- マーケティング・コンセプト
- ホリスティックコンセプト
生産コンセプト
このコンセプトは、顧客は手に入りやすく手頃な価格帯の製品を好むので、そのような製品をどんどん作成して、企業側は生産と流通の効率だけを考えれいれば良いというもの。
製品コンセプト
顧客は最高の品質と性能がある製品を好むので、常に優秀な製品をつくり、常に改良を繰り返して品質と性能をアップしていくという考え方。
販売コンセプト
顧客が自社製品の必要性に気がついていないため、積極的なプロモーションが必要だという考え方。例えば墓石など。。このコンセプトは中長期的な顧客との関係性というよりも、短期的な視点から売上を伸ばそうとしているもの。
マーケティング・コンセプト
こちらは、「顧客満足」こそが目標達成というもの。きちんと顧客を見て考え、顧客価値の向上が売上に結びつくという考え方。
まさに現在マーケティング業界でしきりに言われている優れた顧客価値・体験が重要だというものです。
ここでのポイントは、自社の製品にふさわしい顧客を見つけるのではなく、自社の顧客にふさわしい製品を見つけるという点。
いかがですか?日毎営業さんは、自社の製品を売れる、買ってくれる顧客を探していますよね。でもこれは仕方のないこと。所属している企業が保有している製品を売るのがお仕事ですから。
でも、よりマーケティング思考で企業が進化していくと、現在保有している既存顧客に対してフィットする製品とは?という考え方も強くなり顧客に目を向け顧客価値に目を向けるようになっていくんだと思います。
プロダクトアウトとマーケットイン
これはとっても大事なワードです。
日本の製造業のほとんどがプロダクトアウトのような気がします。プロダクトアウトとは、会社側から作りたいモノ、売りたいモノを製造して販売していく企業側の都合を優先した活動です。
反対にマーケットインは、顧客が中心です。顧客満足、優れた顧客体験を提供するために、会社は何を製造しどのように販売していくかの思考です。
ただどちらが良い悪いというお話ではないと思います。プロダクトアウトは、顧客ニーズが顕在化していない段階で保有技術、開発技術から製品を生み出すイノベータ型。マーケット・インは、顧客ニーズが顕在化してから製品を製造するタイプ。
新技術を開発する企業は企業が未来を予測し、どのように使われるか分からない新技術を研究開発していますから。
こちらはコトラー先生が提唱しているコンセプトです。全体的で包括的アプローチに立ってマーケティング活動を行っていく考え方になります。
ホリスティック=全体的な です。
このような考え方が思考されるようになったのは、まさに世の中のデジタルシフトによって包括的な視点が求められるようになった事が挙げられます。
1.関係性マーケティング
こちらは利害関係者との長期的な関係性を志向するマーケティングです。ここでいう利害関係者(ステークホルダー)は、顧客、供給業者、流通業者などになります。
これら利害関係者との強力な関係性を追求していきます。
2.統合型マーケティング
顧客価値の最大化のためのマーケティングです。マーケティング・ミックスの4Pを統合し、連携させて活動することを目指します。
3.インターナルマーケティング
従業員などの社内の人材に対して行うマーケティング。
満足度の高い従業員は長期的に雇用ができ、その過程でスキルや生産性が高まります。
顧客との関係性を高めていくために、まずは内部に顧客志向を植え付けていくものです。
4.社会的責任マーケティング
顧客のニーズを満たしながらも、社会的、環境的責任を果たしていくマーケティングです。
CSRやSDGsなどの活動になりますね。
まとめ
企業の成長、維持の源は顧客。そのために長期的な顧客満足、関係性の維持が求められます。顧客に対する価値提供を行うために各パートナーとの取引関係の維持が必要。
また実際に顧客と接点を持つ自社社員が顧客志向でなければなりません。
また、優れた製品を開発しても市場には競合が存在します。その中で顧客に対して適切に価値を伝達していき、確実に製品をお届ける必要があります(マーケティングミックス)
企業は社会的責任を果たすべく環境を意識した企業活動が求められています。