MARKETIMESが調査した「国内企業のデジタルマーケティング実態調査2022」をご紹介すると共に、ユーマーケティングとしての考察を書いていきたいと思います。
調査対象は、国内企業の経営者・役員300名を対象に、「国内企業のデジタルマーケティング」に関する実態調査を実施。とされていますので、BtoB、BtoCが混在しているかもしれません。
まずは調査結果のファクトからご紹介します。
デジタルマーケティングの理解度
まず、デジタルマーケティングの理解度では、「理解している」「ある程度理解している」で22.2%、「理解していない」「あまり理解していない」で51.5%という回答結果。
デジタルマーケティングの必要性
デジタルマーケティングの必要性については「必要だと思う」「ある程度必要だと思う」で38%、「必要だと思わない」「あまり必要だと思わない」で33%、「どちらともいえない」という回答結果。
現在取り組んでいるデジタルマーケティング
現在取り組んでいるデジタルマーケティングについては、「Webサイト構築・リニューアル」が最多の42%で、次いで「SNSマーケティング」「Web広告」。
コロナ禍での取り組みの進捗
コロナ禍でのデジタルマーケティングの取り組みの進捗については、「取り組みを加速・強化している」が8%、「計画通り進めている」が20%、「計画どおりに進めれていない」と感じる経営者・役員が全体の27%に及ぶ。
デジタルマーケティング推進における課題
デジタルマーケティング推進における課題については、「デジタルマーケティングに精通した人材がいない」が「デジタルマーケティングに精通した人材がいない」がトップの35%次いで「何から初めてよいか分からない」が23%、「具体的な効果が見えない/出せない」が22%。
考察
51.5%がデジタルマーケティングについて「理解していない」
マーケティングという言葉が世に氾濫している昨今、製造業BtoB企業においてのマーケティングは正しく把握しておきたい。
マーケティングはアカデミックなお話になってしまいますが、マーケティング・ミックスの4P(Product、Price、Promotion、Place)の内的一貫性を保ちつつ、外部環境との整合を取りながら売上を上げるための仕組みづくりを指します。いわば、企業活動そのものです。
Webマーケティングはウェブサイトを中心として、自社サイトを訪れたユーザーのサイト内行動を分析し、ユーザーの求める情報をWebサイト内のコンテンツで配信していくことになり、目的はアクセスの増加やお問い合わせ獲得件数に置かれることが多いと思います。
一方でデジタルマーケティングではWebサイト以外のリアルな活動も含めたさまざまな媒体を通してデータを収集しつつ、そのゴールは良質な商談の創出です。
製造業BtoB企業におけるマーケティング活動は、デジタル✕リアルの顧客接点を通じて、企業やプロダクトの認知→ウェブサイトへの集客→リード化→関係性の維持→購買意欲の高い顧客との商談の創出です。デジタルマーケティングという表現ではありますが、従来のリアルの営業活動に加えて、顧客のデジタルシフトに適合したデジタルチャネルでのコミュニケーションも加えて、両者の活動による相互補完によってトータルに営業活動を進めていくことになります。
この記事をお読みいただいている製造業BtoB企業の皆様がまだ「理解していない」「あまり理解していない」「どちらとも言えない」ということでしたらぜひ、ユーマーケティングの「製造業BtoB企業におけるマーケティングとは」。について社内セミナー開催をご相談ください。まずは、貴社内における意識の統一が不可欠となり、今後のマーケティング活動への取り組みに大きく影響します。
現在取り組んでいるデジタルマーケティングは「Webサイト構築・リニューアル」が最多の42%で、次いで「SNSマーケティング」「Web広告」
ウェブサイトやSNS、Web広告はデジタルマーケティングにいける1施策になります。この施策単体では、デジタルマーケティングとは言い難いのですが、これらの施策を組み合わせながらお客様とのコミュニケーションを進めていくことになります。
まずは貴社のマーケティング対象プロダクトのリード(見込み顧客)状況から把握します。まだ、プロダクトの認知が得られていないのか、ウェブサイトへの来訪者は多いがあくまで匿名のため、自社からプッシュプロモーションが行えない。営業がアプローチしようとするリスト数がそのそもが不足している。など。
このマーケティングファネル上のボトルネックを把握して、打ち手(施策)を検討していきます。
見込み顧客がどのステージに滞留しているのか、不足しているのかによって打ち手は代わり、最適な施策が選定されていきます。
ウェブサイトはマーケティング活動における基盤として捉えていますが、その基盤づくりはマストとしてそのサイト自体への集客力はどうなのか、リード化する機能は備わっているのか。中長期的にお客様とコミュニケーション(ナーチャリング)できる仕組みは出来上がっているかなど、商談創出に向けては単体の施策にフォーカスするのではなく、すべての活動を関連付けて横串をさしながらマネジメントしていく必要があります。
ですので、ウェブサイト構築やSNSマーケ、Web広告などの個別施策に一喜一憂するのではなく、これらの施策で得られた情報から、以下に見込み顧客をファネル上の次のステージへ遷移してもらうかの次の施策につながっていくわけです。
製造業BtoBにおけるよく用いられるマーケティング施策
- ウェブサイト…マーケティング活動の基盤のため必須
- SNSマーケティング…こちらはプロダクトに対するマーケよりも採用マーケに用いられるケースが多い
- ウェブ広告…顧客ターゲティングが細かく設定できるため集客施策として多様されます
- SEO…ウェブ広告と平行して行う必要がある施策。中長期的にサイト自体に自力で集客できる力をつけていきます
- 動画マーケティング…文字情報量の5,000倍ともいわれる動画の活用は加速しています
- マーケティングオートメーション…これは製造業BtoBにおいて必須と考えています
- ウェビナー、オンライン展示会…オンラインはもちろんの事、リアル接点も従来通り大切に
- CRM・SFA…こちらも必須。名刺情報が営業の個人持ちになっており企業資産化できていない場合はまず着手
「精通した人材がいない」が35%、次いで「何から初めて良いか分からない」が23%
マーケティング人材の不足は深刻です。転職市場にはこのマーケティング人材はほとんど存在しないからです。
マーケティング人材といっても、製造業BtoB企業におけるマーケティングに必要なスタッフは非常に多いです。貴社がマーケティング活動を行っていくにあたって、マーケティング人材にどのようなスキルのスタッフが求められるのかは一度棚卸しが必要と思います。
これらの多くのマーケターは実施する施策によって組み合わせや人数的な増減に影響しますが、何より製造業BtoB企業において社内で育成すべきは、マーケティング戦略とマーケティングディレクターです。
また、施策実施においては、すべて自社リソースで賄うのは現実的ではありませんので社外の協力会社などの支援を仰ぐことになるでしょう。
ユーマーケティングでは、貴社のマーケティング戦略、マーケティングディレクターをOJBで育成しつつ、プロジェクト全体をマネジメントするご支援を行っています。また、貴社に必要な施策実行系マーケターを確保するにあたり、協力会社の選定支援や派遣スタッフ等の選定方針等、貴社のマーケティングチームの一員として、助言を行いながら伴走させていただきます。
施策・媒体別 | マーケター(例) |
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戦略 | マーケティング戦略 |
マーケティングディレクター | |
ウェブサイト | Webディレクター |
Webデザイナー | |
フロントエンジニア | |
バックエンジニア | |
SEO、LPO、SEM | |
解析、分析 | |
広告 | 広告担当 |
ライター | |
広告クリエイティブ | |
SNS | SNS運用担当 |
コンテンツ | 基礎原稿作成担当 |
ライター | |
動画クリエイター | |
展示会、イベント | 企画 |
進行管理 | |
什器 | |
MA/CRM | IS管理者 |
オペレーター | |
メール原稿ライター | |
コーダー | |
法務 | |
情報システム |
本記事で登場したマーケティング用語の解説
BtoB
Business to Business 法人間取引
BtoC
Business to Consumer 消費者対象取引
デジタルマーケティング
リアル営業に加えてデジタルでの顧客接点を活用した営業手法
SEO
Search Engine Optimization ウェブサイトの検索エンジンとの親和性を高め、検索エンジンからの流入を狙う施策
マーケティングオートメーション
MAツールと言われる。メール送信機能を有して、誰がいつどのようなコンテンツにアクセスしているかをbyNameで把握することででき、かつ、購買温度感を知ることができる製造業BtoBにおいては必須といえるマーケティングツール
ウェビナー
Web+セミナーを組み合わせた造語です。コロナ禍において対面セミナー開催が困難となり、オンラインでのセミナー開催が加速した。
CRM
Customer Relationship Management 「顧客関係管理」や「顧客関係性マネジメント」を意味する。
SFA
Sales Force Automation 「営業の自動化」や「営業活動を支援するツール」を意味します。あるいは単に「営業支援システム」と呼ばれることもある。