そもそもマーケティングとは何なのかについて書きたいと思います。
企業は顧客のニーズに応えてプロダクトを販売し、利益を上げていますよね。マーケティングとはそもそもこの事です。
昨今、マーケティングを示す対象はとても広くなり、マーケティングというだけで何か怪しい、サイドビジネス?副業?集客のことでしょ?といった誤解が生まれている現状です。
また、マーケティングは「プロダクトを売り込むこと」と捉えられることもありますが、ピーター・ドラッカー先生はこう言っています。「マーケティングの最も重要な部分はセリング(Selling:売り込み)を不要にすること」と。
つまり、昨今言われる集客、広告、動画、SNSなどのマーケティングはそもそもとても狭義のマーケティングであって、ビジネス・マーケティングにおける広義のマーケティングはセリングを不要にするための仕組みづくりなんです。
またここでとっても大事な根本的な考え方に「顧客志向」というものがあります。
企業は徹底してプロダクトを通じた顧客価値を考え抜く必要があります。
少しマーケティングの歴史に触れたいと思います。
1980年代までのアメリカにおける製造業は生産したプロダクトをいかに販売するかにありました。良いものを大量につくれば、顧客は買うといった時代です。
それが、1929年の大恐慌で一変します。
過剰設備を抱えた製造業の倒産が相次ぎます。つまり、モノはあふれ厳しい技術革新の競争に晒されました。
このような状況下で、企業は顧客こそが経営の基礎という考え方に変化していきます。
日本にマーケティングが導入されてきたのは、1950年代ものお話だといいます。
日本は高度成長期を迎え需要が急速に伸びていましたが、1990年代のバブル崩壊が起こります。この時日本においても、顧客志向のマーケティングの重要性が急速に広まったようです。
モノが溢れ、似通ったプロダクトが市場に満ちている昨今、少し気を緩めればプロダクトはコモディティ化し価格競争に巻き込まれます。
いま企業は徹底した顧客価値を考え、自社のプロダクトそのものではなく、プロダクトを使用することによる顧客の体験、経験価値を真剣に考える必要になった時代とも言えます。