製品と市場の2軸で対象市場の戦略を定義するアンゾフの成長マトリクス。
市場浸透
市場浸透とは、既存の製品を既存の市場に提供する戦略。この領域は、企業がフィールドセールス(営業)にてコミュニケーションしている領域。
市場浸透の主な方法
- 自社商品・サービスを購入していない顧客へのアプローチ
- 競合他社からのスイッチ
- 新たな用途、価値による販売
- 1回あたりの利用料を増加する
新製品開発
新製品開発は、既存市場に新製品を投入していく戦略。既存市場に対しての販売のため、既存製品の拡張ライン、バリエーション、新たな機能・価値を提供していくことになる。
この領域は、既存顧客に対してのアプローチが主となるため市場浸透と同様にフィールドセールスによって販売が可能。
市場開拓
市場開拓は新市場に既存製品を提供していく戦略。これには地理的な隔たりを超えていく、異なる顧客セグメントを狙うといったタイプがある。
例えば、既存製品を海外に販売していくのは前者、女性用化粧品を男性用に転用して販売していくのが後者。
デジタルマーケティングを始めたい、行っているという企業の多くはこの領域をターゲットにする。
なぜなら、既存の顧客との繋がりが活かせず、フィールドセールスもチャネルのない顧客層になるから。デジタルによって新たな顧客層にアプローチし、新規リードの獲得から案件化を狙っていく。
多角化
多角化は新商品を新市場へ展開する戦略。
既存市場との関連度によって2つに分けられる。
- 関連多角化
- 非関連多角化
関連多角化
関連多角化は、自社の既存の事業と何らかの関連を持ち相乗効果を狙う多角化。
非関連多角化
非関連多角化はこれまでの事業とは異なる領域への進出。
また企業が行う多角化には3つのタイプがある。
- 垂直的統合
- 集約的多角化
- 拡大的多角化
垂直的統合
垂直的統合とは、商品の素材の開発・生産から、販売・小売のように川上、川下の領域に乗り出すこと。もともと小売業であったユニクロが製品の企画、製造に乗り出すようなケースを指す。
集約的多角化
集約的多角化は主となる事業によって蓄積されている経営資源を存分に生かして新しい事業に進出すること。
拡大的多角化
拡大的多角化は、主となる事業によって蓄積されている経営資源をベースとしてさらなる多角化を行うこと。
以上、アンゾフの成長マトリクスについてお話しました。
デジタルマーケティングを開始する際、対象プロダクトを決めた後、その市場に対してアプローチをしていくのかの一つの判断としてこの図、考え方は良く用います。
既存の市場においても、もちろんマーケティングによって開拓していくという考え方があります。
既存のお客様企業においても、すべての事業部とお取引できているとは限りませんよね。自社の他のプロダクトならお付き合いしていない事業とのお取引の可能性がある。といったことは良くあるのではないでしょうか。
このような場合は、自社のプロダクトをお取引企業に対してクロスセル、アップセルをすることによって売上/利益を最大化していくということになります。これがいわゆるABM(アカウントベースドマーケティング)となります。
デジタルマーケティングを開始するにあたって、まずは市場開拓エリアへという事業部様は多いですが、新規顧客の獲得単価は既存顧客の5倍コストがかかるとも言われています。
まずは、既存のお取引企業に対してABMを実施して売上・利益の最大化を狙うという方向でマーケティングを実施していくことも強くオススメいたします。
以上、アンゾフの成長マトリクスでした。