事業の定義について
事業の定義は、マーケティング・マネジメントの前提としての大切な決定事項です。
事業の定義は、狭すぎても広すぎてもいけません。
事業を狭く捉えすぎたために事業機会を逃すこと マーケティング近視眼
事業を広く捉え過ぎると、事業の拡大志向によって大きくロスが生じてくる マーケティング遠視眼
事業の定義を決定する際には下記の2つのポイントがあります。
1.顧客が本当にもとめているものは何か
ビジネスの本質とも言える部分ですね。
顧客が本当に求めているものに気づくだけで、新たなビジネスチャンスを捉えることができるのはいわずものがなです。
2.そもそもなにをすべなのか
マーケティングの世界で有名な言葉があります。
「ドリルと穴」
ドリルがを購入した顧客が本当に求めていたことは何でしょうか?
本当に求めてたのは、穴です。穴が手に入ればドリルの必要はありませんよね。
穴が手に入るのであれば、ドリル以外のツールでも良かったはずです。
ここで、その会社をドリルメーカーとして定義した場合、他の技術による穴をあける工作機械が出てきた場合、事業が危うくなる。
技術や消費者の欲求、また競合する製品やサービスといった様々な変化に応じて、自社が何をすべきかが変化していきます。つねに自身は何者かを問う必要性があります。
事業の定義の考え方
事業の定義を作成するにあたって、3つの重要な軸
- 顧客(誰に)
- 機能(何を)
- 技術(どのように)
機能は、顧客ニーズともいいます。企業が顧客対してどのような機能を提供するかという軸になります。
技術は、特定顧客のニーズを満たす方法がいくつかある中で、どの技術を採用するかという軸。
顧客は、どのような顧客を対象にするかという軸
事業を定義するにあたっては、短期的な視点では人・物・金・情報といった経営資源にて強みを発揮できるかどうか。
もう一つは、長期的な視点から自社のあるべき姿を実現するために必要な経営資源を蓄積していくというものです。
事業の定義が、事業の基軸となる経営資源、対象となる市場と連動していることがおわかりいただけると思います。
この事業の基軸となる経営資源をコアコンピタンスと呼びます。顧客に対して、競合他社に勝る価値を提供するための中核的な力です。
以上のように、事業の定義によって「顧客のタイプや規模」「競合となる企業」「流通チャネルに求められる要件」が異なってきます。
ビジネスにおいて、この事業の定義を研ぎ澄ますことはその成功に向けて必然とも言える行為となります。