事業者(会社等)は、自身の商品を世にリリースしてシェアをいかに伸ばそうと切磋琢磨していますよね。
マインドシェア・ハートシェア
マインドシェアとは、商品が購買されるときに顧客によってブランドが思い出される(想起)される割合です。
ハートシェアは、顧客が購入したいブランドとして挙げられる割合。
ハートシェアが高いというのは、顧客の中でのポジショニングが確率されていて、購買にとても結びつきやすい状態です。
いずれにしましても、マインドシェア、ハートシェアを高めることが購買を増やし、結果として市場を伸ばすことになります。
市場には大小様々な大企業から小企業、フリーランスまで様々な事業者が存在しています。自社が市場のどの位置にいるかを見極める事はとても重要で、これによって戦略と戦術が異なってきます。
市場地位の分類方法
市場地位には下記の4つの分類が示されています。
市場シェアのトップ リーダー、それを追いかけるチャレンジャー、それ以下のフォロワー、特定のニッチな市場でビジネスをするニッチャーです。
●リーダーの競争戦略
市場目標
リーダーは、市場において最大シェアを獲得している企業です。市場のリーダーは、現在の最大シェア、利益の最大化、名声を確保、維持することが目標です。
基本戦略
全方位型
ターゲット市場
フルカバレージ
マーケティングミックスの方向性
□製品 中~高品質のフルラインナップ
□価格 中~高価格帯
□流通 広範囲なチャネル
□プロモーション マス広告
リーダー企業の競争戦略の定石の3つ
- 周辺需要拡大
- 非価格競争
- 同質化対応
□周辺需要拡大
こちらは、業界全体の需要を拡大する戦略です。
業界全体の需要を拡大できた場合、大きなシェアを持つリーダー企業は、結果として利益が一番大きくなります。
ポイントとしては、商品が発売されてからしばらく経過し、様子を見てから購買する層(レイトマジョリティ)は全体の34%を占めると言われています。
つまりこれらの層が、シェアの大きな商品(ブランド)を購入する可能性が高いという点です。
□非価格競争
リーダーは価格競争に巻き込まれた場合、利益圧迫の影響を受けますし、低価格化によってブランドイメージが低下してしまう恐れがあります。
リーダーの価格値引きは、競合他社の値引きを誘発して、結果価格競争に陥ることになります。
そのため、非価格競争はリーダーの定石となります。
□同質化対応
こちらは2位以下の競合企業の実施したマーケティング戦略、施策を模倣してその効果を無効化させる戦略です。
新商品には類似商品をあてて対抗する等です。
プロモーションの観点でも、競合他社が実施しているマーケティング施策を調査して、同様の施策を実施したり訴求ポイントを被せてみたりしています。
類似商品であれば、販売力、ブランド力などの優位性があるため、競合製品に対して打ち勝てる可能性が高まります。
●チャレンジャーの競争戦略
チャレンジャーの目標は、最大シェアを獲得することです。
ただ、経営資源の点ではリーダーに劣るため、ターゲット市場はセミフルカバレッジとなります。
経営資源の豊富なリーダーに直接的な攻撃を仕掛けるのは得策ではありません。
よって、差別化されたマーケティングミックスが必要となりその基本戦略は差別化です。
差別化戦略を実施しても、リーダーは同質化対応を行ってくるので差別化を吸収されてしまう恐れがあります。そこで、重要なのは
- リーダーが持っていない経営資源を利用する。
- リーダーが同質化できない事業を利用する。
ここは奥が深いところなので説明は割愛します。
市場目標
最大シェアの達成
基本戦略
差別化
ターゲット市場
セミフルカバレージ
マーケティングミックスの方向性
□製品 リーダーとの差別化を狙った商品構成
□価格 リーダーと比較して価格を調整
□流通 特徴をもたせたチャネル
□プロモーション ブランド・機能訴求
●フォロワーの競争戦略
フォロワーは市場において僅かなシェアしか占めていない企業。
リーダーに挑戦して市場シェアNo1を獲得しようとはしておらず、まずは生存するための利潤の獲得が目標。
リーダーの戦略を模倣し、商品開発コストなども極力さげていく。
ブランドや機能よりも、価格が安ければ購入するという顧客層がターゲット。
フォロワーの戦略は、リーダーのマーケティングミックスを1ランク落として、バリエーションを削減し、投資を抑え、低価格で販売していく。
フォロワーの経営で大切なことは、コストコントロール。徹底的に無駄を省き、低コストで生産、流通させることがとても重要。
市場目標
生存利益の確保
基本戦略
模倣
ターゲット市場
経済性セグメント
マーケティングミックスの方向性
□製品 低価格水準の商品ラインナップ
□価格 低水準価格
□流通 価格訴求型チャネル
□プロモーション 有料広告よりも、店頭でのプロモーション
●ニッチャーの競争戦略
ニッチャーはニッチ市場で強みを持つ企業です。
市場のリーダーやチャレンジャー企業との競争を回避すると共に、ニッチ市場に適したコア製品を提供します。
ニッチャーは特定市場に集中して、その市場でのリーダーになることです。
高級オーディオ、車やアニメや趣味思考の強い分野などでしょうか。
プロモーションもマスメディアを使用することはなく、特定市場のコアなファンとコミュニケーションしていき、マインドシェアを獲得していきます。
市場目標
利益の確保、名声の確保と維持
基本戦略
集中
ターゲット市場
特定市場セグメント
マーケティングミックスの方向性
□製品 中~高品質の限定された商品ラインナップ
□価格 中~高水準価格
□流通 限定型チャネル
□プロモーション マインドシェアを高めるコミュニケーション